top of page
paper_00103.jpg

古月てう 詳細設定

音源キャラクター古月てうの詳細設定です。
あくまで当サイト内文章創作にのみ適用されるものであり、

音源・キャラクターご使用の際この設定を遵守する必要はありません。

出身地:関東地方某県
現住所:不明
一人称:てう
二人称:お兄ちゃん、お姉ちゃん、おじさんなど
尊称:役割語を使うため基本的にはない
「あのね、〜〜なの」と幼い、幼児のままの喋り方。
情緒が一切成長していないためそれ以外の言葉遣いをしない。


かつては宗教団体『万民救世会』のコミュニティ内で暮らす子供だった。
宗教結婚をした両親の間に生まれ、幼い頃から教団の教えや両親の信仰に疑問を持たず、自分も敬虔な信徒として育っていた。
そんな彼女に契機が訪れたのは5歳の冬。
その日コミュニティで行われた『祝福の儀』──それは教団内で生まれた子供たちが持つ異能や特異体質を診断、鑑定する儀式だった。
そこで起きた事故で彼女の両親や知人は死に、生き残った彼女も心と体に大きな傷を負った。
こんなの信じない、こんなの現実じゃない──彼女は現実を受け入れることができず、夢と空想の世界に引きこもった。
病室で眠り続ける彼女は永遠に幸せだった頃の姿で夢の世界を歩き続ける。


祝福の儀:
当時5歳のてうには二人の友達がいた。
『みろく』と『あぐに』という男の子で、どちらもてうより年上だったが、てうのことを実の妹のように可愛がっていた。「大人になっても友達でいよう」と無邪気な約束を交わしていた。
祝福の儀当日、まだ幼いてうは儀式に参加しない予定だったが、兄貴分二人がどんな異能に目覚めるのか知りたがり両親と見学していた。
サイキック能力や空中浮遊など子供たちにさまざまな異能が発覚し湧き上がる中、ひとりの子供の体から突如豪炎が噴き出した。
それが『あぐに』であったことはてうの目にも明らかだった。
発火能力を持つ彼の力は暴走し、瞬く間に施設内を火の海にした。
信者たちはパニックに陥り、あらぬ方向に逃げたりその場で祈り始め炎に飲み込まれていった。知り合いも、てうの両親も、皆火の中に消えてしまった。
いやだ、怖い、死にたくない──そう願ったてうも、煙を吸って動けなくなっていた。
だれかたすけて。てうの祈りが届いたのか、生存者を探している様子の『みろく』がすぐそばに来た。しかし、彼はこちらを一瞥するとすぐにその場を去ってしまった。
既にてうの身体も火に巻かれ、黒く焦げた塊に変わっていたのだった。

胡蝶の夢:
幸か不幸か、てうの異能は火に巻かれたその真っ只中で開花した。
死にたくない、怖いと祈り続けた結果、彼女の体は燃やされようと刃物で突かれようと死ぬことのない性質に変化した。
しかし結果、彼女の姿は人間からかけ離れたおぞましい肉塊と化していた。
火災鎮圧後、教団幹部に保護された彼女は自らの姿を認識し発狂した。家族や友人を亡くし、さらには化け物の姿になってしまった事実を受け入れるには彼女は幼すぎた。
こんなの現実じゃない、全部夢だ──自分に言い聞かせて夢の中に逃避する彼女に、新たなる異能が芽生えた。
肉体から精神が乖離し、幽体離脱状態の精神に擬似的な実体が発生したのだ。
精神体の彼女にとって、目に映る光景はすべて夢。どんなことが起きても不思議ではないし、目覚めれば何もかも泡沫に消える──ただの思い込みであったはずのそれが、いつしか現実改変能力として定着していく。
「これは夢だよ。さあ、目を覚まして」
夢の中を幸せに過ごす彼女は、そんな囁きによって我に返る。そうだ、自分がこんなところにいるはずがない。だって本当の私は──世界はてうの“目覚め”とともに塗り替えられ、彼女が観測していたものはすべてが“なかったこと”となり、時間は朝へと巻き戻る。
そして目覚めた彼女は、自分を取り巻く現実に絶望して肉塊の姿で泣き叫ぶのだった。

「うん、てう、今とっても楽しいの、幸せなの」

​「全部夢、全部嘘なの。だから、何も信じない」

©2021 by ひとはしら。Wix.com で作成されました。

bottom of page